金属床義歯(入れ歯)とは
金属床義歯は
様々な種類があり、適応範囲が広く、複雑な構造にも対応できます。
保険治療で適応されるレジン床義歯のプラスチックの床の一部を強度の高い金属を使用することにより、歯肉にあたる床部分の厚みを保険の入れ歯の1/3〜1/4の厚みまで薄くすることができるため、異物感が少なく、適合にも優れます。
金属が強固であるため、
入れ歯の変形が少なく、入れ歯を支えている歯への負担も小さいため、入れ歯のズレが軽減され痛みが少なく、頑丈です。
また、金属は熱を伝えやすいため、食事の際に食物の熱を感じることができます。
衛生面では金属は細菌や汚れが付着しにくいため清潔に保つことができます。しかし、クラスプが金属になるため、部位によっては審美性が劣ることがあります。
金属床義歯(入れ歯)の素材
コバルトクロム金属床義歯
金属床義歯の中でも代表的な材料であり、金属の高い強度により床部を薄くでき、違和感を少なくすることができます。
また、チタンや白金加金と比較すると熱の伝わりやすさは若干劣りますが、その分比較的安価で提供可能です。

チタン床義歯
チタン床義歯の主な特徴はコバルトクロム金属床義歯に類似しますが、特に優れた特徴は軽量で違和感をより少なくでき、生体内で安定した金属であるため、金属アレルギーを起こしにくく、
金属アレルギーのリスクを懸念される方におすすめします。

金属床義歯+
エステティックデンチャー
金属床義歯の利点である頑丈で異物感を軽減し、エステティックデンチャーの利点である審美性を高めた義歯で、金属床の欠点である金属クラスプを使用しないことで審美性を高め、また、エステティックデンチャーの欠点である耐久性の低さや異物感を金属床義歯の強度で補うことができる理想の義歯です。
頑丈な義歯がいいが、見た目も気にしたいという方にはおすすめの義歯になります。

白金加金床義歯
白金加金床義歯の主な特徴はコバルトクロム金属床義歯、チタン床義歯に類似しますが、特に優れた特徴が高い耐久性、耐食性、耐変色性があり、数十年使用できる材料であり、金属の劣化、変質、さびが起こりにくいため、金属のイオンの溶出が少なく、金属アレルギーの発症のリスクが低いと言われています。
また、装着の際、金属の味が比較的感じにくい義歯です。
金属床義歯(入れ歯)のメリット・デメリット
金属床義歯のメリット
- 様々なケースに適応ができる種類の豊富さ
- 健全な歯の削除量が少ない
- 手入れが簡単で衛生的
- 口腔内の変化に対応しやすい
様々な種類の入れ歯があり、適応範囲が広くブリッジでは適応できないような多数の歯が失われた場合でも適応できます。
健全な歯を極力残したまま、失われた歯を美しい状態で再現することができます。
インプラントや被せ物と比べて、取り外しができるためご自身での日常的な手入れが簡単です。
口腔内の状態や環境の変化に対応しやすく、合わせた修理が可能です。(材料、口腔内の状況によっては修理が不可能な場合もあります。)
金属床義歯のデメリット
- 咬む力が弱くなる
- 金具による隣の歯への負担
入れ歯を支えるために、健康な歯や歯茎などに負荷がかかります。 - 毎日のお手入れが手間
- 歯間以外にも食べ物が挟まる
- 違和感が生じる
- 発音への影響
噛む力はブリッジやインプラントと比較して、少し弱く感じます。
清潔に保つため、取り外しをして洗浄する必要があります。
上顎と義歯との間に、食べ物がはさまることがあります。
個人差がありますが、ブリッジやインプラントと比較して違和感を感じることがあります。
ブリッジやインプラントと比較して、入れ歯に慣れるまで発音しにくいことがあります。
当院の入れ歯はなぜ痛みが少なく、よく咬めるの?
入れ歯が痛くて、よく噛めない!食事が楽しくない!!現在の入れ歯に不満を持っている方
食事は体と心の基礎を作り、好きな食べ物をストレス無く食事することで生活の質が高まります。
当院の入れ歯治療は患者様の生活の質を向上させることを最終ゴールと考えております。
入れ歯の痛みには様々な原因があり、その原因を理解した上で治療方法を選択する必要があります。
痛みの原因と対処について
どうして形が合っていないと入れ歯が痛いのか?
当院では、入れ歯の大きさだけでなく咬み合わせも考慮して、痛みや違和感を感じさせる原因について徹底的に追求し、対処してきています。
見た目の美しさだけでなく、機能性や長くお使いいただくための装着感改善についても多くの症例実績がございます。

入れ歯の大きさが合っていない!
入れ歯が大きすぎると入れ歯の縁が歯茎きに強く当たったり、
入れ歯の周囲の頬や舌の圧力に入れ歯が押され、入れ歯が浮き上がり動くことにより、歯茎がこすれ痛みが出ることがあります。
また入れ歯が小さすぎると入れ歯を支える面積が小さくなることで咬む力に耐えられず、歯茎が強く押され痛くなります。
お口の形に合っていない入れ歯を長期間使い続けていると歯茎が痩せ、入れ歯と歯茎の間に隙間ができ、入れ歯が沈み込むことにより痛みがでたり、食事のときに隙間に食べ物がはさまり痛みがでることがあります。
以上のことからお口の形に合った入れ歯を使うことがとても大切です。
当院ではお口の形に合った入れ歯を製作する際にまず簡単な型取りをさせて頂き、お口に合った患者様専用のトレーを製作し、精密な型取りを行っています。また型取りに使用する材料はシリコン印象材を使用しております。シリコン印象材は細部までお口の中を再現でき、安定性に優れます。
このように患者様専用のトレーと精度の高い材料を使用し、精密な型取りを行うことで、患者様の形状にあった義歯が製作することができ、痛みのない入れ歯を装着することができます。
入れ歯の形が合っていない!
入れ歯の咬み合わせが高すぎたり、低すぎたりした場合、食事の際に咬みにくく、また顔貌(見た目)にも問題が起こり、顎関節にも症状(顎関節症など)が出てしまうことがあります。
また入れ歯の咬み合わせの高さに問題がなくても、不均一な咬み合わせで、一部分だけが咬み合わせが強い場合、その部分だけ、咬合力が強く加わり、入れ歯が沈み込むため、歯茎が傷ついたり、圧迫され痛みが生じることがあります。
入れ歯の咬み合わせを決めるのはとても難しく、慎重に進める必要があります。
当院では精密な咬み合わせを得るためには、今使用されている入れ歯についての問診し、入れ歯への不満、希望をお聞きし、現在の咬み合わせを確認、診察、診断を行った後、患者様にあった咬み合わせにあった義歯を選択し、咬み合わせを決めていきます。
診断の際は、パノラマX線写真(顎全体を撮影するX線写真)を撮影し、残っている歯、骨の状態、顎関節の状態を確認し、診断をします。また咬み合わせを決める際は、患者様と話し合い、違和感がないか、見た目に問題がないか確認を行いながら咬み合わせを決めていき、入れ歯の装着後に細かい部分の咬み合わせを調整し、より患者様にあった咬み合わせを作っていきます。

痛みを我慢しない、快適な入れ歯
主な痛みの原因は前途の2つになりますが、この他にも入れ歯を支える歯茎が薄く、傷つきやすい、顎の骨が少ない、口腔乾燥症など、患者様の口腔内の状態に問題がある場合があります。
その際も痛みのない入れ歯を作るためにしっかりとした診察、診断を行い、入れ歯を選択し治療を行うことが大切になります。
現在の入れ歯に不満をお持ちの方、また入れ歯を考えている方はまずはお気軽に何でもご相談下さい。
金属床義歯(入れ歯)の向いている人・向いていない人
金属床義歯(入れ歯)はこんな方にオススメ
入れ歯の治療は適応範囲が広く、様々な種類の入れ歯があります。
患者様の口腔内の状況およびご希望に合ったものを選択することで、口腔内の形態、機能、見た目を回復することができます。また、当院では総入れ歯、部分入れ歯ともに経験豊富な歯科医師が治療いたします。
- 多数の歯が失われブリッジが不適応の方
- あまり歯を削りたくない方
- インプラント治療が怖い方
- 全身疾患があり、インプラント手術や外科治療ができない方
- 口にフィットする入れ歯を入れたい方
- 今の入れ歯に不満のある方
金属床義歯(入れ歯)の治療ができない方
- 重度の歯周病や虫歯があり、抜歯を必要とする場合
- 全身疾患があり、かかりつけの医師との連携が必要となる場合。
- 嘔吐反射により型取りが困難な方
- 審美的要求が著しく強い方
※虫歯や歯周病がある方は、入れ歯治療前に虫歯治療、歯周病治療を行うことがあります。
※上記の場合、セラミック治療やインプラント治療を検討していただくことがあります。
金属床義歯の一例(料金・費用)
メニュー名 | 本数・回数 | 価格(税抜き) |
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金属床(コバルトクロム) | 1個 | ASK(※金属相場変動致します。) |
治療方法 : 金属床義歯(入れ歯) | ■治療説明 : 金属床義歯は、多くの失った歯を再建するための入れ歯の素材として、歯肉部分に金属を使用することで、入れ歯の違和感の軽減、味を感じられる、壊れにくいなどの機能性の向上を目的とする治療法です。 ■治療費 : 216,000円〜540,000円 ■治療の副作用(リスク): 麻酔をした部分は内出血、痛みを伴う可能性があります。治療後、一時的に知覚過敏のような、しみるような痛みがでることがあります。歯の神経治療及び土台(芯も含む)治療が必要になる可能性があります。定期検診にお越しいただけないと、虫歯、歯周病、咬み合わせのずれなどが起こる可能性が高まります。 ■治療期間 : 2週間〜4週間 ■治療回数 : 2回〜4回 |
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